しのに(読み)シノニ

デジタル大辞泉 「しのに」の意味・読み・例文・類語

しの‐に

[副]
草木がぬれてなびくさま。また、心がしおれるさま。
「秋の穂を―押しなべ置く露の消えかもしなまし恋ひつつあらずは」〈・二二五六〉
しきりに。
「あふ事はかたのの里のささいほ―露散る夜はの床かな」〈新古今・恋二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「しのに」の意味・読み・例文・類語

しの‐に

〘副〙
① 草木のしおれなびくさま。転じて、心のしおれるさまなどを表わす語。しおれなびいて。しおれて。ぐったりと。
万葉(8C後)三・二六六「淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば情(こころ)も思努爾(シノニ)(いにしへ)思ほゆ」
② 数多く。しきりに。しげく。
※歌仙本貫之集(945頃)四「河やしろしのにをりはへほす衣いかにほせばかなぬかひざらん〈紀貫之〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android