そしりはしり(読み)ソシリハシリ

デジタル大辞泉 「そしりはしり」の意味・読み・例文・類語

そしり‐はしり

《「はしり」は音の似た語を繰り返して意味を強めたものか。一説に「素知り知り」とも》
物事一部分
㋐ちょっとした会話
「おのれ等が―に、兄弟子中言なかごとを言ひをるか」〈浄・氷の朔日
少しばかり。
「―は、及ばずながら存じてをりまする」〈伎・黄金鱐〉
《「そしり」を「そしり」と解釈したところから》悪口
「同じ女中達と寄りこぞって内の事を―さ」〈滑・浮世風呂・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「そしりはしり」の意味・読み・例文・類語

そしり‐はしり

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 同義・同脚韻の語を重ねて強調したものという ) 物事の一部分。かたはし。
    1. (イ) 会話の一部分。ちょっとした会話。
      1. [初出の実例]「又してはおのれらがそしりはしりに、兄でしのなかごとをいいおるか」(出典:浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)上)
    2. (ロ) 一部分。少しばかり。
      1. [初出の実例]「後世をねがひ、毎日談義参りして経説の有がたきそしり端(ハ)しりを、もって来て」(出典:評判記・役者座振舞(1713)大坂)
  3. ( 「そしり」を「謗(そし)る」意に解して ) 悪口。陰口
    1. [初出の実例]「口々のそしりはしりがはしりもとへ聞へて〈略〉あまり成るかげ口、人も聞ぞかし」(出典:浮世草子・世間妾形気(1767)二)

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