デジタル大辞泉
「だろう」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
だろ‐・う だら‥
(「であらう」の変化したもの。→語誌)
体言・
副詞・活用語の
終止形・
助詞「の」に付く。ただし、助詞「の」に接続する場合は「活用語の
連体形+の+だろう」の形をとる。
① 話し手の推量を表わす。
※
洒落本・美地の蛎殻(1779)「『弐百五十取らすに行ねへな。琴公も行くだろうの』『わっちは御めんだぞ』」
※
滑稽本・
浮世床(1813‐23)初「早速御礼といふ心いきだらうが」
※滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)二「生て居る内に初松魚
(はつがつう)で一盃飲せる方が、遙に
功徳だと。の、さうだらう。おばさん」
[語誌](1)「に‐て‐あら‐む」から変化した「で‐あら‐う」が変化した語。室町時代に、「ぢゃらう」「やらう」などの形を派生する一方で、江戸時代後期の江戸語に「だろう」が現われる。
(2)「であろう」からの過渡的な形として、「だあろ(う)」と表記された例もみられる。
(3)「であろう」が、専ら推量の
意味を表わすのに対して、「だろう」は、推量
用法と並んで、発生後かなり早い
時期、少なくとも、文化文政期の滑稽本「浮世床」「浮世風呂」には、既に②のような同意、確認を求める言い方の例が見られる。
(4)現代語では「う」「よう」が意志を表わす用法に限られつつあるのに対して、「だろう」は推量を表わす基本的な形となっている。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報