つとめて(読み)ツトメテ

デジタル大辞泉 「つとめて」の意味・読み・例文・類語

つとめ‐て

前夜に何か事のあった場合の)翌朝
「男、いとかなしくて、寝ずなりにけり。―、いぶかしけれど」〈伊勢・六九〉
早朝。夜明けがた。
「さて四日の―ぞ、皆みえたる」〈かげろふ・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「つとめて」の意味・読み・例文・類語

つとめ‐て

  1. 〘 名詞 〙
  2. 前夜から引き続いた翌早朝。前夜に何か事があったその翌日の早朝。その翌早朝。
    1. [初出の実例]「をとこ、いとかなしくて、寝ずなりにけり。つとめて、いぶかしけれど〈略〉いと心もとなくて待ち居れば」(出典:伊勢物語(10C前)六九)
  3. 早朝。夜明けがた。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず」(出典:枕草子(10C終)一)

つとめての補助注記

早朝を表わす「つと(夙)」から派生した語。同根の「夙に」が漢文訓読調であるのに対して平安朝和文に多く用いられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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