つ・ツ(読み)つ

精選版 日本国語大辞典 「つ・ツ」の意味・読み・例文・類語

つ【つ・ツ】

〘名〙 五十音図の第四行第三段(タ行ウ段)に置かれ、五十音順で第十八位のかな。いろは順では第十九位で、「そ」のあと「ね」の前に位置する。現代標準語の音韻では、舌先と上の歯茎との間で調音される無声破擦音 ts と母音 u との結合した音節 tsu にあたり、これを清音の「つ」という。これに対して、「つ」に濁点をつけた「づ」は、ts と同じ調音点における有声破擦音 dz と母音 u との結合した音節 dzu にあてられる。これを「つ」の濁音という。ただし、標準語では、dzu は破裂を伴わない zu と全く混同されており、「づ」と「ず」との間で発音上の区別はない。また「つ」は促音(つまる音)を表すことがあり、現代かなづかいではそれを小文字で書く。促音は、主として無声の破裂音 k t p または摩擦音 s 等の前で、その閉鎖または摩擦を一音節分持続するものである。「つ」「ツ」の字形の起源は諸説があって定めがたい。その原字には、「川」「州」「津」「鬪」などがあげられているが、古代朝鮮半島における用字を参考にした「州」の説が有力である。ローマ字では、「ローマ字のつづり方」(昭和二九年内閣告示)に、第一表に tu (濁音は zu)をあげ、第二表にヘボン式の tsu と、日本式の濁音の du とをあげている。促音は次の子音文字を重ねて表す。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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