てて(読み)テテ

デジタル大辞泉 「てて」の意味・読み・例文・類語

てて[格助・接助]

[格助]《格助詞「とて」の音変化》名詞、文の終止した形に付く。引用を表す。…といって。
「何やら目出めでたい祝ひぢゃ―、大きな重箱に目へ入る様な餅七つ」〈浄・手習鑑
[接助]接続助詞「とて」の音変化》助動詞「じゃ」「た」の終止形に付く。…といっても。…としても。
「いかやうに言ひやった―言ひ負けて居ませうかいの」〈伎・浅間嶽
[補説]近世、特に前期上方で用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「てて」の意味・読み・例文・類語

て‐て

連語〙 (「といひて」「というて」の変化したもの) =とて
① ある事を理由にして後のことを述べるのに用いる。…というので。
狂言記萩大名(1660)「ていしゅが、でけたてて、いかふよろこぶは」
② 逆接の意を表わす。…といったって。…であっても。
歌舞伎・傾城江戸桜(1698)中「誰ぢゃてて傾城に成りたうて成る者は一人もない」

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