てんかんの予後と合併症

六訂版 家庭医学大全科 「てんかんの予後と合併症」の解説

てんかんの予後と合併症
(脳・神経・筋の病気)

 てんかん予後については、20年間の追跡調査により、発作のなくなる率(寛解率(かんかいりつ))は5年で42%、10年で65%、20年で76%であり、一般に患者さんの5~8割は2~5年以内に発作がなくなります。

 とくに特発性てんかんの予後はよく、発症15年後には8~9割の人が発作がなくなるといわれています。抗てんかん薬による治療後2年を経過しても発作のコントロールがされない場合は、一般に予後は悪いようです。

 数年間発作がない場合には抗てんかん薬を中止することがありますが、その場合の再発率は十数%あるともいわれています。とくに症候性の部分てんかんで再発が多いようです。

 てんかんに合併する特別な障害はありませんが、症候性てんかんでは原因となる疾患があるため、それによるてんかん以外の症状がみられることがしばしばあります。これは厳密な意味では合併症ではありません。また、治療がうまくいかずに何度も呼吸停止をするような全般てんかんの強直間代(きょうちょくかんたい)発作が繰り返される場合には、脳に十分な酸素が送られず脳細胞が死んでしまうため、知的能力の障害が合併症として起こります。

 そのほか、抗てんかん薬の副作用に基づく合併症はしばしばみられます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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