なく(読み)ナク

デジタル大辞泉 「なく」の意味・読み・例文・類語

な‐く

《打消しの助動詞「ず」のク語法上代語》ないこと。→なくに
「ももしきの大宮人熟田津にきたつ船乗しけむ年の知ら―」〈・三二三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「なく」の意味・読み・例文・類語

な‐く

(打消の助動詞「ず」のク語法)
① …ないこと。
万葉(8C後)一四・三三六四「足柄箱根の山に粟蒔きて実とはなれるを逢は奈久(ナク)もあやし」
② 体言止めの一種として、詠嘆の意を表わす。
※万葉(8C後)二・一五八「山振(やまぶき)の立ちよそひたる山清水酌(く)みに行かめど道の知ら鳴(なく)
[補注](1)打消の助動詞「ず」の古い未然形「な」に体言的接尾語「く」のついたもの。形容詞「なし」の連用形とは別語。
(2)動詞の未然形に下接し、文中では体言句を構成し、文末では一種の体言止めとなる。文末では下に「に」のついた「なくに」の形が多い。

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