ならなくに(読み)ナラナクニ

デジタル大辞泉 「ならなくに」の意味・読み・例文・類語

なら‐なくに

[連語]断定助動詞「なり」の未然形連語「なくに」》…ではないのに。
「めづらしき声―ほととぎすここらの年を飽かずもあるかな」〈古今・賀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ならなくに」の意味・読み・例文・類語

なら‐なく‐に

(「なら」は断定の助動詞「なり」の未然形。→なくに) …ではないのだものを。…ではないのに。
万葉(8C後)二〇・四四四七「幣(まひ)しつつ君がおほせるなでしこが花のみ訪はむ君奈良奈久爾(ナラナクニ)
伊勢物語(10C前)一「みちのくの忍ぶもぢずり誰ゆゑにみだれそめにし我ならなくに」
[補注]もっぱら歌語として現われる。「…でないのだものを」は強めれば、「…ない以上は…であろう」となり、「ではないのに」は「…でないにかかわらず…なのは不審、残念」の意となる。

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