ぬべし(読み)ヌベシ

デジタル大辞泉 「ぬべし」の意味・読み・例文・類語

ぬ◦べし

[連語]《完了の助動詞「ぬ」の終止形推量の助動詞「べし」。この場合「ぬ」は強調用法
推量の意を表す。…に違いない。きっと…てしまうだろう。
御舟みふね海の底に入らずは神落ちかかり―◦べし」〈竹取
意志を表す。…してしまうつもりだ。きっと…しよう。
「今いととくまかで―◦べし」〈かげろふ・中〉
(下に打消し・反語を伴って)可能の意を表す。きっと…することができる。…できそうだ。
したり顔に、おとなしく、もどき―◦べくもあらぬ人の、言ひ聞かするを」〈徒然・一六八〉
当然の意を表す。きっと…するはずである。
「古今あまた書き写しなどする人は、みなも覚え―◦べきことぞかし」〈二三
適当の意を表す。…するのがよい。
「けにかの国の内に、さも人の籠りゐ―◦べき所々はありながら」〈若紫
[補説]「ぬべし」は平安時代から鎌倉時代にかけて最も多く用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぬべし」の意味・読み・例文・類語

ぬ‐・べし

(完了の助動詞「ぬ」の終止形に推量の助動詞「べし」の付いたもの)
事態の生ずることを確定的なこととして推量する意を表わす。きっと…するだろう。…してしまうにちがいない。…てしまいそうだ。
古事記(712)下・歌謡天飛(あまだ)む 軽の嬢子(をとめ) いた泣かば 人知り奴倍志(ヌベシ)
② 事態の生ずることが確かに可能又は適当であると判断する意を表わす。…できそうだ。…してよい。
源氏(1001‐14頃)若紫「げにかの国のうちにさも人のこもりゐぬべき所所はありながら」

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