べかなり(読み)ベカナリ

デジタル大辞泉 「べかなり」の意味・読み・例文・類語

べか◦なり

[連語]推量助動詞「べし」の連体形推定伝聞の助動詞「なり」の付いた「べかるなり」の音変化「べかんなり」の撥音無表記》…のはずということだ。…のはずのようだ。
内侍のかみになる―◦なり」〈・行幸〉
[補説]「べかめり」が平安時代物語の地の文にも会話文にも用いられるのに対し、「べかなり」は会話文に用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「べかなり」の意味・読み・例文・類語

べか‐・なり

  1. ( 「べかり」に伝聞推定の助動詞「なり」の付いた「べかりなり」(一説、「べかるなり」)の変化した「べかんなり」の撥音「ん」の無表記 ) …べきだというらしい。聞けば…のはずだと思われる。
    1. [初出の実例]「寅の時になんわたらせ給ふべかなる」(出典:枕草子(10C終)二七八)

べかなりの語誌

( 1 )平安時代の和文で用いられるが、用例は多くない。「源氏物語」では「べか(ん)めり」一三九例に対して一〇例ほど使われているにすぎない。主に会話文で用いられている。
( 2 )一般に、推量の助動詞といわれるものは相互に承接しないが、「べし」は「べか(ん)めり」「べか(ん)なり」「べからむ」のように、「めり」「なり」「む」等を下接させることができる。

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