ほとほと(読み)ホトホト

デジタル大辞泉 「ほとほと」の意味・読み・例文・類語

ほと‐ほと

[副]戸などをたたく音や、おので木を切る音などを表す語。
「父が―と扉をたたいて」〈康成・青い海黒い海〉
「宮造る飛騨の匠の手斧てをの音―しかるめをも見しかな」〈拾遺・雑恋〉
[名](中国地方で)小正月の夜、若者や子供が、蓑笠みのかさ頭巾ずきんをつけて家々の門を訪れ、「ほとほと」と唱えてもち祝儀などをもらう行事。ことこと。かせどり。 新年》「―の裸に蓑を着たりけり/冬葉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ほとほと」の意味・読み・例文・類語

ほと‐ほと

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 軽くたたく音を表わす語。とんとん。ことこと。
大鏡(12C前)三「櫃のうちにもののほとほととしけるがあやしさに」
② 斧で木を切る音を表わす語。
※拾遺(1005‐07頃か)雑恋・一二二六「宮造る飛騨のたくみのてをのおとほとほとしかるめをもみしかな〈藤原国用〉」

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