デジタル大辞泉
「ぽんこつ」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ぽんこつ
〘名〙
①
拳骨(げんこつ)でなぐること。また、なぐって殺すこと。
※安愚楽鍋(1871‐72)〈
仮名垣魯文〉三「四足をくいへゆわいつけられてポンコツをきめられてヨ」
② 明治時代の洗濯業界で、木綿製の
衣類などを、固定した木や石にたたきつけて汚れを取ること。また、その方法。
③ 使いものにならなくなった自動車の解体。また、それをする
商売。転じて、中古の、こわれかかった自動車。一般に、老朽化し、廃品同様になったものにもいう。〔自動車の話(1953)〕
※ぽんこつ(1959‐60)〈
阿川弘之〉兄の
遺品「ぽんこつに出したくしゃくしゃの自動車は」
[語誌](1)①については、拳骨を西洋人が聞き違えていったボンコツの転か〔大言海〕とする説が有力であるが、「げんこつ」と英語 punish との
混成語か。
(2)②は英語 pound cotton に由来するという。
(3)③は、
挙例の阿川弘之の新聞小説「ぽんこつ」によって一般にひろまったもので、ポンポンコツンコツンと叩く音からできた語。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報