まじい(読み)マジイ

デジタル大辞泉 「まじい」の意味・読み・例文・類語

まじい

打消し推量助動詞「まじ」の連体形「まじき」のイ音便
「さては、なんぢにあうては名乗るまじいぞ」〈平家・九〉
[補説]「まじい」は中世語で、連体形だけでなく終止形としても用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「まじい」の意味・読み・例文・類語

まじい

(助動詞「まじ」の連体形「まじき」の変化したもの。文語「まじ」から口語まい」に移る中間の形として、室町時代に終止形・連体形に用いられた) 否定的な推量・意志などを表わす。意味・用法は「まい」に同じ。
※高野本平家(13C前)一「など祇王は返事はせぬぞ。参るましひか
※虎明本狂言・鍋八撥(室町末‐近世初)「御せいさつには、何にはよるまじひ」
[語誌](1)成立については、「べし」(一般に「まじ」の否定といわれる)からできた「べしい」との関係をも考慮する必要がある。
(2)「まじい」と「まい」とは室町期において共存しており、使い分けが見られる。「まい」が日常語的でストレートな表現であるのに対して、「まじい」は控えめで丁重な表現であるという。

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