めまい(読み)めまい(その他表記)vertigo

翻訳|vertigo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「めまい」の意味・わかりやすい解説

めまい(医学)
めまい / 眩暈
vertigo
dizziness
unsteadiness

平衡感覚(バランス感覚)異常のことで、目が回ったり、立ちくらみがしたりといった自覚症状を生じる。平衡(バランス)を維持する代表的な器官が三半規管と耳石(じせき)器という末梢(まっしょう)前庭(ぜんてい)(内耳)器官であり、また、小脳・脳幹が中枢前庭(脳のバランスシステム)といわれ、これらいずれかの障害により、めまいという現象が生じる。

[新井基洋 2025年3月18日]

疫学・病因(危険因子)

2022年(令和4)の国民生活基礎調査によると、めまいの有訴者率(人口1000人当りの、めまいの症状がある人の割合)は男性12.5、女性27.6で、性差は女性が男性の2倍強。おもな危険因子(リスクファクター)はストレス、不眠、生活習慣病の合併と喫煙、飲酒、加齢、女性ホルモンと考えられている。

[新井基洋 2025年3月18日]

分類・症状

めまいは障害部位により大きく二つに分かれる。一つは知覚障害のめまい、もう一つは運動障害のめまいである。

 また、めまいの症状は、運動感覚を伴うめまい(回転性めまいvertigo、と定義される)、運動感覚を伴わない空間識の障害(浮動性めまいdizziness、と定義される)、身体の不安定(不安定性めまいunsteadiness、と定義される)に分けられる。回転性のめまい感(vertigo)やふらふら感(dizziness)は知覚障害のめまいに該当し、歩行時にバランスがとれない、体が傾いていく身体の不安定化(unsteadiness)などは運動障害のめまいに該当する。

 回転性めまいは、実際に回転性の運動感覚がないのに回転していると錯覚する異常であり、そのめまいは突然に発症することが多い。患者は「周囲の景色全体が回転して見える、自分が回っている」と訴えるが、実際には風景も本人も静止している。また、患者は「ふわふわ浮き上がる」感じのめまいも訴えるが、これも同様で、実際には本人は静止しており浮いてはいない。

 世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11回改訂版(ICD-11)では、めまいを急性めまい(acute vestibular syndrome)、反復性めまい(episodic vestibular syndrome)、慢性めまい(chronic vestibular syndrome)に分類している。WHOの定義によると、それぞれの症状は以下のとおりである。

 急性めまいは数日から数週間続く急性の前庭障害(めまい)を示す疾患で、新規に発症した前庭障害(バランス障害)である。眼振(めまいが原因の、本人の意思とは無関係な眼の異常な動き)や嘔吐(おうと)、高度の平衡(バランス)障害を伴う。めまいは1回のみの場合が多いが、反復性(繰り返す)、あるいは3か月以上続く慢性進行性の一部として発症することもある。

 反復性めまいは数秒から数時間、ときに数日間の一過性前庭障害(めまい)で、眼振や嘔吐、転倒を伴う。

 慢性めまいは通常持続性の前庭障害(めまい)で、動揺視(ものがぶれて見える)、眼振、歩行の不安定感などを伴う。これは数か月から数年に及ぶ慢性のめまいである。一般に進行性ではあるが、急性めまいからの不完全な回復後に持続性のめまいとして発症する場合もある。

[新井基洋 2025年3月18日]

検査・診断

①眼振検査:赤外線CCD眼鏡を使用し、暗所で眼振の詳細な観察を行う。

②聴力検査:純音聴力検査は耳鼻咽喉(いんこう)科のもっとも基本的な検査の一つで、めまいに難聴が随伴すれば内耳病変の可能性が高く、めまいに難聴が随伴しなければ良性発作性頭位めまい症(BPPV:Benign Paroxysmal Positional Vertigo)、前庭神経炎、前庭性片頭痛などを疑う。

③重心動揺検査:被検者の足圧中心の動きを測定し、開閉眼の1分間の総軌跡長を測定する。

④温度刺激検査(カロリック検査):外耳道にもっとも近接している外側半規管に、外耳道側から温度刺激を加えて三半規管の機能を測定する。最近では、温度刺激検査にかわり、vHIT(video Head Impulse Test)で外側半規管から上前庭神経の機能を評価することが多い。

⑤画像検査:脳血管病変、脳腫瘍(しゅよう)などの中枢病変を疑う場合は、頭部MRI検査、MRA検査による画像診断を行う。また、内耳造影MRI検査におけるメニエール病の陽性率は80%以上と高く、この検査で陽性所見を呈するとメニエール病の確定診断となる。

⑥前庭誘発筋電位検査(VEMP):VEMP(Vestibular Evoked Myogenic Potential)にはcVEMP(前庭誘発頸筋(けいきん)電位)とoVEMP(前庭誘発眼筋電位)があり、いずれも音刺激を与えて行う前庭機能検査である。cVEMPは耳石器のうち球形囊(のう)から下前庭神経を、oVEMPは卵形囊から上前庭機能を評価する。

⑦その他の神経耳科学的検査:回転刺激検査は外側半規管の動的な反応性をみる検査である。視運動性眼振検査はおもに内耳障害と小脳・脳幹障害の鑑別に使われる。

[新井基洋 2025年3月18日]

治療・予後

①めまい一般
急性期(発症2週間未満)は点滴治療と安静、激しいめまいに対しては入院加療を行い、亜急性期(2週間以降から3か月未満)には経口薬物療法を行う。慢性期(3か月以上)は、薬物療法と前庭リハビリテーション(小脳を鍛えて平衡機能の左右差を改善させる運動療法〈平衡訓練〉)を併用する。

②代表的なめまい疾患
・良性発作性頭位めまい症(BPPV):半規管内に迷入した耳石の塊が頭位(頭を動かすこと)で移動し、めまいを生じる内耳性めまいの代表疾患。治療は、耳石塊を半規管内から耳石器に移動させる浮遊耳石置換法(頭位治療)を行う。2週間から1か月前後で自然治癒が認められるが、3分の1から4分の1に再発が認められる。

・メニエール病:内リンパが水腫状態となり、めまいと難聴、耳鳴りを生じる。原因は不明だが、代表的な誘因にストレスがあげられる。したがって、治療はストレスを軽減するような生活指導、有酸素運動、ストレスホルモンの一種である抗利尿ホルモンの低下につながる水分摂取療法、イソソルビドなど内リンパ水腫を軽快させる薬物療法がある。難治例に対しては中耳加圧療法や手術(内リンパ囊解放術)が行われる。

[新井基洋 2025年3月18日]

新しいめまい

「持続性知覚性姿勢誘発めまい」(PPPD:Persistent Postural-Perceptual Dizziness)は、めまいに関する国際的な学会で2017年に提唱された新しい概念に基づく慢性のめまいで、その症状は3か月以上持続する浮遊感・不安定感であり、立ち上がった際や歩行時など体を動かしたときに生じる。動くものを見たときなどの複雑な視覚刺激で症状が悪化するのが特徴である。

 そのほか、「前庭性片頭痛」(青年期から壮年期に片頭痛によって生じるめまい)、「加齢性めまい」(60歳以上で両側半規管の軽度の機能低下を認める)も、比較的近年になって定義され病名のついた新しいめまいである。

[新井基洋 2025年3月18日]


めまい(映画)
めまい
Vertigo

アメリカ映画。1958年作品。監督アルフレッド・ヒッチコック。仕事上のトラウマから警察を辞めたジョン(ジェームズ・スチュアート)は、旧友に妻マデリン(キム・ノヴァクKim Novak、1933― )の尾行を頼まれた。彼女を追ううち二人はひかれあうが、彼女は、不遇の死を遂げた祖先の女性の行動をなぞるかのように死んでしまう。彼女を忘れることができない彼の前に、彼女と瓜二つのジュディ(ノヴァク二役)が現れる。高所恐怖症によるめまいと犯罪が巧みに絡みあうストーリー、そのなかに男と女双方の愛の想いの深淵(しんえん)が立ち現れる。ヒッチコック作品のなかでも神秘的な雰囲気に包まれ、評価がさらに高まってきた傑作。原作はピエール・ボワローPierre Boileau(1906―1989)とトマ・ナルスジャックThomas Narcejac(1908―1998)のコンビによる『死者の中から』。タイトルおよび作中のアニメーションのデザインはグラフィック・デザイナーのソウル・バスSaul Bass(1920―1996)。

[出口丈人]

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改訂新版 世界大百科事典 「めまい」の意味・わかりやすい解説

めまい
vertigo
dizziness

眩暈(げんうん)ともいう。〈実際は周囲の物が静止しているのに,いろいろな方向に動くようにみえたり,またまっすぐ立とうとしてもできない状態〉とか,〈周囲や患者自身は運動していないのに,動いているように感ずる異常感覚〉などと定義される。いずれにしろ,めまいは,身体の平衡に関係した部位の障害もしくは異常感覚により起こる自覚症状である。めまいの性質も,起こった病気あるいは感じ方によりさまざまで,自分や周囲のものがぐるぐる回る(回転性めまい),身体がふらふらする(動揺感),身体が浮くような感じ(浮動感),目の前が暗くなる(眼前暗黒感)などがある。

 人間が直立したり歩行したり,また運動したりできるのは,身体の平衡がうまく保たれているからである。このような身体の平衡に関係する部位としては,耳のいちばん奥にある内耳の前庭三半規管,内耳からでる前庭神経と深い関係をもつ脳幹や小脳,筋肉や腱の深部知覚系と呼ばれるところ,および視覚系(眼)などがある。このような身体の平衡に関係した部位のどこかに病気が起こると,身体の平衡がくずれて,めまいを感ずるようになる。

これらのなかでも,とくに内耳は身体の平衡に深く関係しており,内耳に病気が起こると激しいめまいを感ずる。メニエール病は,内耳がむくむ(内リンパ水腫と呼ばれている)ために起こる病気と考えられているが,前庭三半規管と,音を感ずる蝸牛を含む内耳全体に異常が起こるため,めまいとともに耳鳴りとか難聴が起こる。健康な人では,両方の耳にある内耳が同じように働いて身体の平衡がうまく保たれている。これはちょうど,てんびんの両方の重さがまったく等しくて,水平を保つのと似ている。ところがメニエール病のように,一側の内耳に異常が起こると,てんびんの片方が重く反対側が軽くなって傾くのと同じように,身体の平衡がくずれてしまう。これが平衡の障害であり,自覚的には激しいめまいとして感じられるものである。このように内耳に起こった異常は,前庭神経を経由して脳幹に入り,眼を動かす神経に伝えられる。めまいを起こしている人の眼を見ると,眼が激しく動いているのがみられることが多いが,これは眼振と呼ばれるものである。したがって,めまいを訴える人の検査として最もよく用いられるのは,眼振があるかどうかをみる検査である。この検査は,フレンツェルの眼鏡という,視覚をさえぎる特殊な眼鏡を使って行われるもので,眼振がはっきりと観察できる。

 内耳に異常が起こったという情報は,脊髄のほうにも伝えられる。したがって,身体がふらついてうまく立てなかったり歩けなかったり,ひどい場合は倒れたりする。すなわち内耳の異常が,身体の平衡失調という形であらわれてくる。また内耳の異常は,自律神経にも伝えられ,心臓がどきどきしたり,冷や汗がでたり,吐き気がして吐いたりする。このような内耳の病気が原因で起こるめまいには,メニエール病のほかに,発作性頭位眩暈突発性難聴,前庭神経炎などと呼ばれる病気がある。発作性頭位眩暈は,内耳の前庭の中にある耳石器の障害で起こることが多く,その特徴は頭や身体の位置を変えたとき,すなわち急に寝たり起きたりしたり,寝返りをうったりしたときにだけ起こるめまいである。突発性難聴は,急にどちらかの耳が聞こえなくなり,ひどいめまいを起こす。メニエール病と違うところは,めまい発作をくり返さないことである。激しいめまい発作が1回だけ起こって,かなり長く続くが,耳鳴りや難聴を起こさない病気を前庭神経炎と呼んでいる。これは,風邪をひいているときに起こったり,ときには血液の循環障害で起こったりする。

めまいに関係するところとして,以上のほかに脳幹や小脳がある。したがって,このようなところに脳腫瘍ができたり,あるいは血管がつまったり出血を起こしたりしても,身体の平衡状態がくずれ,ときには激しいめまいを起こしてくる。脳腫瘍は少しずつ大きくなっていくので,腫瘍が大きくなると,身体がよろけるとか,歩きにくいという症状がでてくる。血管がつまったり出血が起こったりすると,激しいめまいや歩行の障害が突然起こる。このような脳の病気で起こるめまいが内耳の病気と違う点は,耳鳴りや難聴が起こらない代りに,手足や顔がしびれるとか,物が二重に見えるとか,舌がもつれてうまくしゃべれないとか,ときには意識を失うというような神経の症状を伴うことである。小学生や中学生のころは乗物に酔いやすい。これは,乗物の加速度や異常な振動が内耳の中の耳石器や三半規管に伝わり,その刺激が自律神経に伝わって,吐き気がして吐いたり,顔面蒼白,冷や汗というような症状を起こすのである。これは加速度病とも呼ばれている。
船酔い

視覚が身体の平衡に関係する例としては,高所眩暈症あるいは高所恐怖症と呼ばれる現象がある。すなわち,高いビルの屋上から下を見ると,ふらふらする感じがしたり,恐怖感を覚えたりするもので,視覚の影響による異常感覚である。この場合は,心理的要素も関係していることが考えられる。

 サル,ネコ,ウサギなどにおいても,実験的に内耳を破壊すると,明らかな平衡失調が起こって眼振もみられ,うまく歩行できなくなる。また,イヌが乗物に酔いやすいことなどはよく知られたことであり,これらの事実は,動物においても,めまいや平衡障害が内耳と深い関係を有していることを示している。

 めまいという言葉は,すでにギリシア時代にもあり,その記載はかなり昔からあるようである。しかしめまいに関する研究が詳細に行われ,急速な進歩をとげたのは,フランスの医師メニエールProsper Ménière(1799-1862)が内耳の病気が原因となっためまい症例を報告し,バーラーニRobert Bárány(1876-1936)が内耳の生理や検査法を中心とする一連の研究を発表した,19世紀後半から20世紀初めにかけてであった。近年,めまいの研究は神経耳科学として,さらにめざましい進歩をとげ,その成果が確立されつつある。
平衡機能検査
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家庭医学館 「めまい」の解説

めまいげんうん【めまい(眩暈) (Dizziness)】

◎めまいとは
 静止している周囲のものが、いろいろな方向に動くように感じたり、直立の姿勢を保とうとしても、それが困難な状態がめまいです。
 人間が、直立姿勢を維持できたり、歩いたりできるのは、からだの平衡(へいこう)を保持する機能が備わっているからです。
 この平衡保持にかかわっているのは、内耳(ないじ)の前庭系(ぜんていけい)(三半規管(さんはんきかん)、耳石(じせき))、視器(しき)(目)、深部知覚(しんぶちかく)(関節(かんせつ))などです。これらの器官は、からだの平衡保持のセンサーとしてはたらき、小脳(しょうのう)や大脳(だいのう)を介してお互いに密接に協力し合っています。これらの器官のどこかに障害がおこると、めまいが生じます。
◎めまいの種類と原因
 めまいは、空間認識の感覚異常と姿勢保持の異常とに分けることができます。
 これはさらに、真性(しんせい)めまい、平衡失調(へいこうしっちょう)、仮性(かせい)めまいの3つに分けることができます。
■真性(しんせい)めまい
 回転感、浮動感(ふどうかん)のほか、上下・前後などへ動くように感じる、などのなんらかの運動感をもっためまいを、真性めまいといいます。
 この真性めまいは、自分または周囲がグルグル回ると感じる回転性(かいてんせい)めまいと、浮動感、動揺感(どうようかん)を中心とする非回転性(ひかいてんせい)めまいとに分けることができます。
 回転性めまいは内耳や中枢(ちゅうすう)(小脳、脳幹部(のうかんぶ))の急激な障害でおこり、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)などの自律神経(じりつしんけい)症状をともなうことが多いものです。
 回転性めまいがおこってくる内耳の障害としては、メニエール病(「メニエール病」)、前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)(「前庭神経炎」)、良性発作性頭位(りょうせいほっさせいとうい)めまい(「良性発作性頭位めまい症(良性頭位めまい)」)、内耳炎(ないじえん)(「内耳炎/ウイルスによる内耳障害」)、突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)(「突発性難聴」)が原因になります。中枢の障害としては、小脳・脳幹部の出血・梗塞(こうそく)(脳出血(のうしゅっけつ)(「脳出血(脳溢血)」)、脳梗塞(のうこうそく)(「脳梗塞(脳軟化症)」))などの血管障害が原因になります。
 非回転性のめまいは、急性期を過ぎた内耳の病気で現われます。また、聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)(「聴神経腫瘍」)、小脳腫瘍(しょうのうしゅよう)など、ゆっくりと進行する中枢の病気でもおこります。
■平衡失調(へいこうしっちょう)(平衡障害(へいこうしょうがい))
 からだの平衡がとりにくく、不安定な感じがする状態を、平衡失調(平衡障害)といいます。平衡失調は、つまずきやすい、歩きにくい(歩行障害)などで現われます。
 内耳では、両側の前庭機能に高度な障害がおこると、平衡失調を生じます。
 中枢では、聴神経腫瘍(「聴神経腫瘍」)、脊髄小脳変性症(せきずいしょうのうへんせいしょう)(「脊髄小脳変性症」)などの障害で、平衡失調がおこります。
 また、長期間、病気で寝たきりの状態にあったり、下肢(かし)(脚(あし))の筋肉が弱ったりしても、スムーズに歩けなくなり平衡失調と似た状態になりますが、これはめまいとはいいません。
■仮性(かせい)めまい
 頭やからだがふわっと浮いた感じになる、立ちくらみがおこる、頭から血がひく感じになる(眼前暗黒感(がんぜんあんこくかん))、一瞬、意識が薄れる感じなどを覚えるなどが、仮性めまいです。
 平衡機能には異常がないめまい感で、低血圧(「低血圧(症)」)、神経調節性失神(しんけいちょうせつせいしっしん)(「神経調節性失神」)、高血圧(「高血圧(症)」)、自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)(コラム「自律神経失調症」)などのときにおこります。
◎受診する科
 めまいが心配であれば、耳鼻科を受診しましょう。めまい外来を設置している病院もあります。

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食の医学館 「めまい」の解説

めまい

《どんな病気か?》


 めまいはさまざまな原因で起こりますが、大きくわけて耳の病気によるものと、それ以外によるものがあります。
 ここでいう耳の病気とは、体の平衡感覚をつかさどる内耳(ないじ)などの器官の異常で、メニエール病が代表的なものです(「メニエール病」参照)。
 それ以外によるものは、脳への血液量が減ることによって起こるめまいもあり、その原因には低血圧(ていけつあつ)や貧血(ひんけつ)、更年期障害(こうねんきしょうがい)や自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)などが多くみられます。

《関連する食品》


〈高たんぱく・高ビタミンの栄養価の高い食事を〉
○栄養成分としての働きから
 いずれの原因による場合も、自律神経の不安定や過労、ストレスなどが誘因となることが多いので、心身の疲労をためないことが、めまいの予防としてたいへん重要になります。栄養バランスのよい高ビタミンの食事が不可欠です。
 たんぱく質とビタミンを多く含む食品としては、肉類やキンメダイ、タイ、サケ、カレイ、ヒラメといった白身魚があります。
 朝食は抜かずにかならずとり、牛乳・乳製品やたまごなど栄養価の高いものを食べましょう。高たんぱくで消化がよく、血管を丈夫にして脳を活発に働かせるビタミンB群がたっぷりの納豆もおすすめです。
 めまいが起こってしまったら、鎮静作用のあるカモミールなどのハーブティーやサフランを試してもいいでしょう。サフランは、ブイヤベースやパエリアに香りと色をつけるために利用されています。

めまい

《どんな病気か?》


 人間には平衡感覚を保持する機能があり、その機能があるから直立でき、まっすぐ歩けるのです。ところが、その機能になんらかの支障が生じると、立ちくらみ、周囲がグルグル回ったり、揺れる、浮いた感じがする、貧血(ひんけつ)のように血の気がひいて目の前が真っ暗になるなど、めまいの症状が現れます。
 めまいには2つの原因が考えられます。
 1つはメニエール病や内耳炎(ないじえん)、脳血管障害など、耳(内耳)や脳に障害が起こっている場合。もう1つは高血圧や低血圧により、脳へ運ばれる血液量が不足している場合です。
 このほか、自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)や更年期障害(こうねんきしょうがい)でも、めまいの症状がみられます。

《関連する食品》


〈ビタミンEが血液の循環をよくする〉
○栄養成分としての働きから
 めまいを起こしやすい人はミネラルやビタミンEの摂取を心がけましょう。
 ミネラルの一種であるカリウムは、血中のナトリウムを排出し、血圧を安定させます。カリウムはイモ類やくだもの、野菜に多く含まれています。
 ビタミンEが豊富な青背の魚やナッツ類は血液循環をよくし、血圧を安定させてくれるので有効です。また、ミネラルとビタミンが豊富なホウレンソウなどの青菜も多くとるようにしましょう。
○漢方的な働きから
 めまいが起こったときには、なるべくその場を動かずに、安静にすることもたいせつです。
 鎮静作用のあるサフランのお茶やナツメの煎(せん)じ汁などを飲むとリラックスできます。

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百科事典マイペディア 「めまい」の意味・わかりやすい解説

めまい

静止している周囲の物体が動くように感じられたり,直立姿勢の保持が困難になったりする状態。ときに不快感や嘔吐(おうと)を伴う。半規管などの平衡器官およびそれに関する神経系の失調や障害によって起こる。生理的にも回転運動後の残感現象として,また乗物酔いの際に認められる。めまいを起こす疾患には,メニエール病,内耳炎などの耳の障害,眼筋麻痺(まひ)などの目の障害,脳腫瘍(しゅよう),脳溢血癲癇(てんかん),頭部外傷などの脳神経障害のほか,高血圧,貧血,各種の血液疾患,心臓病,薬物中毒などがある。
→関連項目平衡感覚

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内科学 第10版 「めまい」の解説

めまい(おもな神経症候)

 T. Brandtは,めまいを「静的重力的方向付けの不快な歪みあるいは自己またはそれを取り巻く環境の動きの誤った認知」と定義している.静的重力的方向付けは,視覚系,位置・運動感覚系,平衡反射制御系,自律神経系が関与し(図15-3-7),これらの相互作用で自己の運動認知がなされている(図15-3-8).
 めまいの性状は,回転性(時計・反時計方向への回転,左右への流れ感),非回転性(浮動・浮遊感,動揺感,眼前暗黒感,気の遠くなる感じ,立ちくらみ,失神など)に大別され,一般に回転性めまい(vertigo)は,前庭系障害,非回転性めまい(dizziness)は,視覚,位置・運動感覚,平衡覚,自律神経などの障害による.急性期と慢性期のめまい性状の変化,同一患者による複数性状のめまいの訴えなども多く,めまいの病歴は,映画のシナリオのように場面,心理的背景も含め詳細に聴取する必要がある(図15-3-9).
 めまいを呈する疾患は多岐にわたるが(表15-3-5),ここでは頻度の高いものについて概説する.[山本纊子]
■文献
Brandt T: Vertigo―Its Multisensory Syndrome, Springer-Verlag, London, 1991.
Epley JM: The canalith repositioning procedure: Fortreatment of benign paroxysmal positional vertigo. Otplaryngol Head Neck Surg, 107: 399-404,1992.

めまい(めまい・耳鳴り)

概念
 人は視覚,前庭迷路,体性感覚などの複数の感覚受容器からの入力情報を中枢で統合し,眼,四肢・体幹の筋(効果器)に運動情報を送り,身体の平衡・姿勢の保持,円滑な運動を行っている.めまいはこれらの感覚受容器の障害により空間恒常性保持機構に異常が生じた場合に生ずるが,自身や周囲が回転する(ver­tigo),ふらつき(dizziness),身体バランスがくずれる(disequilibrium, ataxia),たちくらみ(lightheadedness),失神(syncope,faintness)などが含まれる.悪心・嘔吐,冷汗などが随伴することが多く,逆にこれをめまいと感じる場合もある.
病態生理・鑑別診断
 めまいの病因・病態は,①器質的なものと②機能的なものに大別される.①の傷害部位は内耳,前庭神経,脊髄,脳幹,小脳,大脳で,血管障害,脱髄,変性,腫瘍,代謝異常,炎症,外傷などに起因する.②は過換気,起立性低血圧,不整脈などによる中枢における一過性の循環障害が主であるが,貧血,消化器系の機能的障害に伴う場合も多い.[山本纊子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「めまい」の意味・わかりやすい解説

めまい
vertigo; dizziness

眩暈 (げんうん) ともいう。病名ではなく,安定感覚失調の自覚症状をいう。普通,真性のめまいと仮性のめまいに分け,前者は自分の感じている空間と実際の空間が一致せず,たとえば,周囲が静止しているのにものが完全に円を描いている感じで,メニエール症候群などに現れる。後者は「くらくらする」「たちくらみがする」といった,空間が上下,左右に揺れる感じで,貧血,高血圧,低血圧,自律神経失調症,一時的な脳循環障害などで比較的よく現れる。めまいが持続する場合は,精密な耳科および一般内科検査を要する。なお,ストレスなど心理的な要因に起因する場合も多い。

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デジタル大辞泉プラス 「めまい」の解説

めまい〔アメリカ映画〕

1958年製作のアメリカ映画。原題《Vertigo》。アルフレッド・ヒッチコック監督によるミステリー・サスペンス。出演:ジェームズ・スチュワート、キム・ノバク、トム・ヘルモア、バーバラ・ベル・ゲデスほか。

めまい〔日本映画〕

1971年公開の日本映画。監督:斎藤耕一、脚本:石森史郎、撮影:竹村博。出演:辺見マリ、范文雀、小川ひろみ、萩原健一、森次浩司、ジァイアント吉田、有島一郎ほか。

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世界大百科事典(旧版)内のめまいの言及

【三半規管】より

…したがって,頭を約30度前屈して,外側半規管をほぼ水平の状態として身体を回転させると,外側半規管の中の内リンパの流動が起こり,それが膨大部の感覚細胞に伝わり,さらに前庭神経をへて脳幹や小脳および外眼筋に伝えられる。この感覚は実際にはめまい感として感じられ,その客観的現象としては,眼に眼振としてあらわれてくる。この現象をとらえて半規管の機能を知る目的で発展したのが,平衡機能検査にも用いられる回転検査である。…

【平衡機能検査】より

めまいや身体のふらつき(平衡障害),あるいは歩行障害などを訴える患者に行われる検査。めまいや平衡障害を起こす場所としてよく知られているのは,耳,目および足の筋肉,腱などである。…

※「めまい」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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