もやくや（読み）モヤクヤ

デジタル大辞泉

もや‐くや

［副］(スル)
１ むしゃくしゃするさま。
「さまざまの妄想が、狭い胸の中で、― ―煮えくり返る」〈左千夫・隣の嫁〉
２ ごたごたするさま。
「何か―する中へ、ちょっとお邪魔と出かけたが」〈伎・御国入曽我中村〉
［名］
１ 気持ちがうつうつとして晴れないこと。もやもや。
「胸の―を晴そうと」〈木下尚江・良人の自白〉
２ もめごと。いざこざ。
「さっきにからの―寝られはせまい」〈浄・盛衰記〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

もや‐くや

1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
   1. ① ＝もやもや[ 一 ]①
      1. [初出の実例]「何かもやくやする中へ、ちょっとお邪魔と出かけたが」(出典：歌舞伎・御国入曾我中村（1825）四立)
   2. ② ＝もやもや[ 一 ]②
      1. [初出の実例]「互に心のうちにのみもやくやわやわやとしてかなしければ」(出典：浮世草子・紅白源氏物語（1709）二)
2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
   1. ① ＝もやもや[ 二 ]①
      1. [初出の実例]「さっきにからのもやくや寐られはせまい聞たで有ふ」(出典：浄瑠璃・平仮名盛衰記（1739）三)
   2. ② ＝もやもや[ 二 ]②
      1. [初出の実例]「ツイ気にかかる胸のもやくや」(出典：人情本・恩愛二葉草（1834）二)

出典　精選版 日本国語大辞典