らゆ(読み)ラユ

デジタル大辞泉 「らゆ」の意味・読み・例文・類語

らゆ[助動]

[助動][らえ|らえ|○|らゆる|○|○]《上代語》下二段・サ変動詞の未然形に付く。可能を表す。…られる。…できる。→
いもを思ひの寝らえぬに秋の野にさ雄鹿をしか鳴きつ妻思ひかねて」〈・三六七八〉
[補説]「らる」に先行する助動詞活用意味ともに「ゆ」に準じて考えられるが、用例は少なく、「い(寝)の寝らえぬに」という例にほとんど限られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「らゆ」の意味・読み・例文・類語

らゆ

  1. 〘 助動詞 〙 ( 活用は「らえ・らえ・〇・らゆる・〇・〇」。下二段型活用。下二段動詞の未然形に付く。可能の助動詞 ) 可能の意を表わす。
    1. [初出の実例]「吾が背子がかく恋ふれこそぬば玉の夢(いめ)に見えつつ寐不所宿(いねらえず)けれ」(出典:万葉集(8C後)四・六三九)

らゆの補助注記

四段動詞に付く「ゆ」とともに、「ゆ」‐「らゆ」の組をなして、「る」‐「らる」の組に対応するものと考えられる。しかし「ゆ」に比べ用例、用法が少なく、上代では下二段動詞「寝(ぬ・いぬ)」に付いた未然形の例「いねらえぬ」「いのねらえぬ」の形で、不可能の意を表わすものしか見られない。

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