日本大百科全書(ニッポニカ) 「アグリッパ(哲学者)」の意味・わかりやすい解説 アグリッパ(哲学者)あぐりっぱAgrippas 生没年不詳。3世紀中ごろのギリシア懐疑派の哲学者。生涯は知られていない。懐疑のための5か条の方式が有名である。それは、(1)同じ問題についての意見の不一致の事実、(2)証明の前提が証明を要する無限後退、(3)あらゆるものの相対性、(4)原理とされるものの任意仮定性、(5)証明の前提が当の結論から導き出される循環性、である。感覚のみならず証明、理解にまで範囲が拡張されている意味で、アイネシデモスの10か条より抱括的で、より徹底した懐疑論になっている。[山本 巍 2015年1月20日][参照項目] | 懐疑派 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例