アジャンター石窟群(読み)アジャンターせっくつぐん

世界遺産詳解 「アジャンター石窟群」の解説

アジャンターせっくつぐん【アジャンター石窟群】

1983年に登録された世界遺産(文化遺産)で、インドのデカン高原西北部マハーラーシュトラ州のワゴーラ渓谷にある。ワゴーラ川岸の断崖に約600mにわたって掘られた、大小30の仏教の石窟寺院群が並ぶ。造営前期(紀元前2~後2世紀)と後期(5世紀中頃から7世紀)に分かれ、簡素な前期窟に比べて後期窟は、豪華な壁画や多くの仏像が周囲を囲んで華やか。こうした壁画や彫刻は、6~7世紀に描かれたものでグプタ様式と呼ばれ、なかでも1窟にある「蓮華手菩薩像」の壁画はよく知られている。このような、インド仏教美術の源流として貴重な遺産であることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はAjanta Caves

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android