アップフィールド(英語表記)Arthur William Upfield

改訂新版 世界大百科事典 「アップフィールド」の意味・わかりやすい解説

アップフィールド
Arthur William Upfield
生没年:1888-1964

オーストラリアの推理作家。イギリス生れ。1911年オーストラリアに渡る。30余の作品群で,ナポレオン・ボナパルト(ボニー)というアボリジニー(オーストラリア先住民)の母と白人の父とから生まれた混血警部を活躍させ,国内はもとより英米でも定評を得ている。27年処女作に手を染めるまでは,奥地牧童(スワッグマン)として渡り歩いたので,作中世界には広大を極めた奥地の生活・風物が活写されているだけでなく,それらの一部が事件の原因,捜査の手がかりなどにも巧みにとり入れられている。警部のボニーが最初に登場するのは《バラキー牧場ミステリー》(1929)であり,代表作には《ウィンディ牧場》(1931),《砂嵐》(1937),《帽子箱のなかのケーキ》(1955)などがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android