アドリアノープルの和(読み)あどりあのーぷるのわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アドリアノープルの和」の意味・わかりやすい解説

アドリアノープルの和
あどりあのーぷるのわ

1829年9月アドリアノープルAdrianople(現在のトルコ領エディルネ)でロシアとトルコとの間に結ばれた講和。イギリスおよびフランスと並んで、オスマン・トルコの衰退に乗じて近東・バルカン方面への進出を図ったロシアは、1828~1829年ギリシアの独立援助を口実にトルコと戦って勝利を収めた。その結果、トルコからボスポラス、ダーダネルス両海峡の自由航行権、トルコ領内での自由通商権のほか、黒海北東岸とドナウ河口の土地、および賠償金を獲得し、さらにジョージアグルジア)やイメレチアなど外コーカサスのロシアへの併合を認めさせた。トルコは最終的にギリシアの独立を承認したうえ、セルビアに自治を与え、モルダビアワラキアにも自治を認めるに至った。

[外川継男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android