アビシニア教会(読み)あびしにあきょうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アビシニア教会」の意味・わかりやすい解説

アビシニア教会
あびしにあきょうかい

エチオピアで信仰されているキリスト教教会の一派。別称エチオピア教会。4世紀、アタナシウスから主教に任命されたフルメンティオスによって創設された。彼はこれによって「エチオピアの使徒」ともよばれる。5~6世紀は、「9人のローマ聖人」の一行が訪れるなど、教会にとって輝かしい進展の時期であったが、その後、イスラム教徒の侵入により衰微した。なお、この教会は長らくエジプト教会に対して従属関係にあったため、今日もその大半はキリスト単性論を受け入れ、ユダヤ教的儀式を守っている。また、古代エチオピア語(ゲーズ語)による聖書翻訳も4~5世紀に着手されたといわれ、そのなかには正典外の外典(がいてん)、偽典(ぎてん)のたぐいも多く含まれている。

[菊地栄三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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