日本大百科全書(ニッポニカ) 「アフロ・アジア語族」の意味・わかりやすい解説
アフロ・アジア語族
あふろあじあごぞく
アメリカの言語学者グリーンバーグJ. H. Greenbergの提唱した名称。セム語派(アラビア語、ヘブライ語、アラム語、アムハラ語、ティグリニャ語、ティグレ語、グラゲ語など)、エジプト語派(死語。コプト語など)、ベルベル語派(タマジグト語、リフ語、カビール語、トゥアレグ語など)、クシ語派(ベジャ語、シダモ語、アファール語、ガラ語、ソマリ語、レンディーレ語、イラク語など)の従来セム・ハム語族とよばれてきたものに、ブラック・アフリカ最大の言語の一つであるハウサ語、およびその周辺の諸言語(これらをまとめてチャド語派とよぶ)を付け加えたもの。ただし、これらの系統論的研究には、いまなお種々の問題点が残されている。
[湯川恭敏]