アミノドン(英語表記)Amynodon

改訂新版 世界大百科事典 「アミノドン」の意味・わかりやすい解説

アミノドン
Amynodon

絶滅した哺乳動物でサイの仲間。第三紀始新世の後期に北アメリカと東アジアに分布し,ユタ州モンゴルでは完全な骨格化石として発見されている。がっしりとした大型のサイで,角はなく,大きな切歯と犬歯をもつことによって他のサイとは区別される。ギリシア語の〈防御する〉という意味のアミュノamynōと〈歯〉を意味するオドントスodontosからアミノドンの名がつけられた。カバのように沼沢地で生活していたと思われる。子孫のメタミノドンMetamynodon,カドルコテリウムCadurcotheriumなどは次の漸新世にも引き続き発展したが,漸新世の末期にはすべて絶滅した。日本でも,歯の化石が,北九州唐津炭田,山口県の宇部炭田,北海道の雨竜炭田などで発見されており,ワタナベサイA.watanabeiと呼ばれている。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android