アラビアオリックス保護区[オマーン](読み)アラビアオリックスほごく[オマーン](英語表記)Arabian Oryx Sanctuary

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アラビアオリックス保護区[オマーン]
アラビアオリックスほごく[オマーン]
Arabian Oryx Sanctuary

オマーン中部の内陸部,ジダッド・アル・ハラシース平原にあるアラビアオリックスの保護区。面積2万 7500km2。砂漠でありながら,アラビア海から吹き込む湿気を含んだ風が夜間に冷やされて平原を潤すため,数種類の草木灌木生育爬虫類鳥類も生息する。なかでも有名なアラビアオリックスは,かつてはアラビア半島全域に生息し,ユニコーン伝説のモデルになったといわれるレイヨウ一種であるが,1972年に野生の最後の1頭が射殺されて絶滅した。しかしアメリカ動植物保護協会の協力で飼育されていたものを譲り受けるとともに,保護区を設けて 1982年 10頭が放し飼いにされた。その後約 300頭まで回復したが,絶滅の危機を脱したとはいえず,綿密な保護活動が続けられた。 1994年世界遺産の自然遺産に登録されたが,2007年オマーン政府が保護義務を果たしていないとして,登録抹消された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android