アリヤドリコバチ(読み)ありやどりこばち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリヤドリコバチ」の意味・わかりやすい解説

アリヤドリコバチ
ありやどりこばち / 蟻寄生小蜂

昆虫綱膜翅(まくし)目アリヤドリコバチ科のハチ総称。名はアリに寄生する小さいハチという意味である。世界に広く分布するが、日本では3種のみが知られている。成虫は体長5ミリメートル前後のものが多い。成虫の体は、緑黒色や青色の美しい金属光沢があり、胸部は膨らみ、中胸楯板(じゅんばん)は後方に突き出した突起となり、細長い腹柄(ふくへい)がある。すべてアリの幼虫に寄生する寄生バチであるが、直接、アリの幼虫に産卵するのではなく、まず植物体に卵を産み付ける。孵化(ふか)した幼虫は行動が活発で、植物体上でアリがくるのを待つ。アリに取り付くと、アリの巣に運ばれ、アリの幼虫や蛹(さなぎ)に寄生する。代表種として、日本および朝鮮半島に分布するエサキアリヤドリコバチEucharis esakiiがある。

[立川哲三郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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