アリ動物(読み)ありどうぶつ(英語表記)myrmecophiles

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリ動物」の意味・わかりやすい解説

アリ動物
ありどうぶつ
myrmecophiles
ant-guests

一生あるいは発育の一時期にアリの巣内にすみ、共生生活をする動物(食客)をいう。アリとアリ動物の関係はさまざまで、ある種のハネカクシ甲虫類)のように弱ったアリや幼虫を捕食し死骸(しがい)などを食べるもの、アリスシミやアリヅカコオロギなどのように、アリからは無関心に扱われるがアリの分泌物をなめ取ったり餌(えさ)をかすめたりするもの、アリの好きな液を分泌して与え、かわりにアリの保護を受け、巣に運ばれたり餌を与えられて養われる真の共生者まである。最後の段階のものはアブラムシ類やカイガラムシ類、一部のシジミチョウの幼虫、甲虫類に多くみられる。世界で2000種以上知られている。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android