アルコール0%飲料(読み)あるこーるぜろぱーせんといんりょう

知恵蔵 「アルコール0%飲料」の解説

アルコール0%飲料

アルコール飲料風味を持ちながらもアルコール分を全く含まない飲み物。キリンビールが2009年4月に発売したアルコール0.00%のビール風味飲料「キリンフリー」がヒットしたのを受け、大手ビール各社も次々参入。アルコール分0.00%の炭酸飲料「アサヒポイントゼロ」「サントリーファインゼロ」「サッポロスーパークリア」を同9月に発売した。いずれもビールの原料である麦芽(エキス)を使用して、アルコールを生成しない製法でビール風味に仕上げており、「ノンアルコールビールテイスト飲料」と称している。
日本の酒税法ではアルコール分1度(1%)以上の飲料を酒類としているため、「ノンアルコール」などと表示されていても微量のアルコールを含んでいる場合が多かった。飲酒運転が社会問題化する中で、こうした表示が消費者の誤認を招くとして、03年7月には公正取引委員会が業界に表示の適正化を求めていた。そうした中、ビール風味飲料で「世界初のアルコール0.00%」と銘打って登場した「キリンフリー」は、同社の実験で運転能力に影響がないことを確認して「運転の時に飲んでも安心」とアピール。ドライバーや妊娠中の女性らアルコールを飲めない人の支持を得て、新たな市場を開拓した。

(原田英美  ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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