改訂新版 世界大百科事典 「アルミナ磁器」の意味・わかりやすい解説
アルミナ磁器 (アルミナじき)
alumina ceramics
酸化アルミニウム(アルミナ)の焼結体で,工業的に製造,利用されている材料の総称。窯業製品の中でも,とくに技術の蓄積が豊かな材料であり,品質の高級性,安定性,信頼性,量産性,互換性などに優れる。酸化アルミニウムの特性として,優れた耐熱性,硬質性,耐食性,絶縁性,伝熱性,透光性があるので,多方面の用途がある。とくに絶縁性,伝熱性を生かすため高純度,緻密(ちみつ),精密に作られたものは集積回路の基板あるいはパッケージ材料として,また上記のすべての特質を生かすものとして透光性の管状のものは高輝度照明ランプに使われる。硬質性を生かしたものは切削工具として,耐熱・耐食性を生かしたものは燃焼管,るつぼ,高級耐火煉瓦などとして使われる。さらに生体内での耐食性を生かすものとして,人工歯根,人工関節,人工骨などに使う試みもなされている。
執筆者:柳田 博明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報