アルメニア音楽(読み)アルメニアおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルメニア音楽」の意味・わかりやすい解説

アルメニア音楽
アルメニアおんがく

アルメニアトルコの東北地方に住み,アルメニア語を母語とする人々の音楽。アルメニア人は4世紀初頭にキリスト教化され,5世紀以来アルメニア教会とその典礼音楽の伝統を今日まで維持してきている。しかし,この地域は7世紀から相次いでアラブ,セルジューク・トルコ,モンゴルなど異民族が支配し,16世紀から 20世紀初頭にいたるまでオスマン帝国の治下にあったため,その音楽にはイスラム的,特にトルコの色彩が強い。アシュグと呼ばれる吟遊詩人がムッガーム (マカーム) の旋律型にのせて語る叙事詩や,民族舞踊のリズムなどはトルコ音楽の残した影響である。楽器も,サーズタールカマンチェカーヌーン,ズルナ,ドゥドゥクなどイラン,トルコ系のものが使われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android