旺文社世界史事典 三訂版 の解説
アレクサンドロス(大王)
Alexandoros
マケドニアの王(在位前336〜前323)で,ヘレニズム時代の創始者。英語名はアレクサンダー(Alexander)
フィリッポス2世の子。13歳から3年間アリストテレスの教えを受け,ギリシア文化に尊敬の念を抱いた。母をしりぞけた父と不和となる。父の暗殺後,20歳で即位,全ヘラスの盟主となり,反抗したテーベを完全に破壊して市民を奴隷にした。前334年,3万5000の兵力を率いてアケメネス朝への報復戦争を起こし,小アジアでグラニコスの戦い,イッソスの戦いに勝ち,ギリシア諸都市を解放した。エジプトを征服してアレクサンドリアを建設し,さらに北進して前331年,アルベラ(ガウガメラ)の戦いでダレイオス3世を決定的に撃破し,ペルセポリスを炎上させた。ここでコリント同盟軍を解散し,軍を再編成して北東部に向かい,ソグディアナを征服。前327年インドに侵入したが,兵士が終結なき征服への従軍を拒否し,ついに大王も諦めてスサに帰還した。ここでソグディアナの王女ロクサーネ,ダレイオス3世の王女スタチラを妃とし,将兵1万余をイラン女性と集団結婚させ,ペルシア風の拝跪 (はいき) の礼を採用し,ギリシア諸都市には大王神格化の王令を発布した。ここに空前の専制帝国が出現し,コイネー(共通語)を用いてギリシア文化を広め,ヘレニズム世界を成立させた。前323年6月,突如熱病にかかって急逝した。
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