イエニクダニ(読み)いえにくだに

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イエニクダニ」の意味・わかりやすい解説

イエニクダニ
いえにくだに / 家肉蜱
[学] Glycyphagus domesticus

節足動物門クモ形綱ダニ目コナダニ団ニクダニ科に属するダニ。体長は雌0.40~0.75ミリメートル、雄0.32~0.40ミリメートル。体は楕円(だえん)形で体表はごく細かいとげに覆われ、光学顕微鏡では点状の絞り模様状に見える。同じ科のサヤアシニクダニG. destructorに似ているが、イエニクダニは脚(あし)の先端に鞘(さや)がないこと、背部前端に背溝とよばれる縦溝が存在することで区別できる。胴体の毛は長く、周囲に側枝が生えている。世界各地に分布し、貯蔵穀物(小麦など)、チーズ、ハム、鳥の巣、乾燥した動植物標本、室内の塵(ちり)などにみいだされる。日本ではもっぱら室内の塵中(じんちゅう)によくみいだされている。ニュージーランドではチーズに発生し、これを扱う人に皮疹をおこさせたという報告もある。

[松本克彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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