イシク・クリ湖(読み)いしくくりこ(英語表記)Иссык‐Куль/Issïk-Kul'

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イシク・クリ湖」の意味・わかりやすい解説

イシク・クリ湖
いしくくりこ
Иссык‐Куль/Issïk-Kul'

キルギス共和国の北東部、天山(てんざん/ティエンシャン)山系中の盆地にある大塩湖。北をクンゲイ・アラタウ山脈、南をテルスケイ・アラタウ山脈に挟まれて東西に長い。水面標高1608メートル、水表面積6280平方キロメートル。最深部は702メートルで、深さでは世界第5位である。水色コバルトで、透明度は20メートル。流れ込む川は50以上もあるが、出口をもたない塩湖(濃度平均0.58%)となっている。水表面の温度は、夏平均18℃、最高22℃、冬3~4℃で、真冬でも西部の浅い湖岸以外は凍結しない。「イシク・クリ」とは、キルギズ語で「熱い湖」を意味するのはそのためである。周辺の気候は温和で、湖岸一帯は観光、保養地となっている。また、遊牧民遺跡が多くあり、学術的な調査も行われている。青銅製の遺物も掘り出されており、「イシク・クリ遺宝」の名でよばれている。

[小宮山武治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android