ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イシマエル」の意味・わかりやすい解説
イシマエル
Ishmael
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翻訳|Ishmael
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…《ローランの歌》をはじめとする中世の叙事詩において,サラセン人は預言者ムハンマドをあがめる偶像崇拝者として描かれ,しかもムハンマドは偽預言者であり,イスラムは性的放縦を容認する宗教であり,ムハンマドをはじめサラセン人はすべて堕落した人びととされた。またベーダ(8世紀)をはじめとする聖書解釈学において,サラセン人は荒野に追いやられたアブラハムの子イシマエルの子孫として,好戦的な牧民,イサクよりも劣った一族とみなされた。このようなヨーロッパのキリスト教徒の嫌悪と軽蔑にみちたサラセン認識は,十字軍を準備する土壌であったが,十字軍の敗北とこれを通じてのイスラム教徒との接触は,すぐれたイスラムの文化やサラディン(サラーフ・アッディーン)をはじめとするイスラムの〈騎士〉像をヨーロッパに伝えるところとなった。…
※「イシマエル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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