旺文社世界史事典 三訂版 「イラン−イラク戦争」の解説
イラン−イラク戦争
イラン−イラクせんそう
Iran-Iraq War
イラクとイランとの間で行われた戦争
両国間にはペルシア・アラブという民族対立が長く続いており,さらに宗教問題として,イラク(スンナ派の国)は国内に多数のシーア派がおり,1979年のイラン革命の影響を恐れていた。1975年のアルジェ協定でシャット−ル−アラブ川を国境としたが,その周辺の石油利権が絡み,さらにクルド人の自治運動に関する問題などアラブの盟主をめざすフセイン大統領が開戦を決意,1980年イラク軍がイランに侵攻した。この戦争は双方がミサイル攻撃を行った史上初の戦争であり,また双方が相手国のタンカーを攻撃した結果,世界の石油事情が悪化した。1988年両国が国連安全保障理事会の決議を入れ,イラクが国境線などで譲歩して停戦が成立した。
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