インテル(プロサッカークラブ)(読み)いんてる(英語表記)Internazionale Milano FC

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

インテル(プロサッカークラブ)
いんてる
Internazionale Milano FC

イタリアのプロサッカークラブ。ホームスタジアムはミラノのジュゼッペ・メアッツァ(収容人員8万0065)。リーグ優勝18回、UEFAチャンピオンズ・リーグ優勝3回(2010年現在)。クラブの起源ACミランと同じミラン・クリケット・アンド・フットボールクラブであるが、1908年、外国人選手加入についてクラブ内で意見の対立を生じ、クラブを離脱した役員たちによって新たに創設された。チームの正式名称はインテルナチオナーレ・ミラノであるが、通常インテルとよばれる。インテルの名が世界的に知られるようになったのは、1960年代のことである。FCバルセロナスペイン)の監督として、すでに名声を博していたエレニオ・エレラHelenio Herrera(1917―1997)が監督に就任し、強固なディフェンスと鋭いカウンターアタックを徹底、「カテナチオかんぬき、鍵(かぎ)の意味で、ゴールに鍵をかけたような堅い守りを敷くシステム)」とよばれるスタイルをつくりあげた。1964、1965年とヨーロッパ・チャンピオンズ・カップ(現、UEFAチャンピオンズ・リーグ)を連覇。ジャチント・ファケッティGiacinto Facchetti(1942―2006)、サンドロ・マッツォーラSandro Mazzola(1942― )、ルイス・スアレスLuis Suárez(1935―2023、スペイン)といった名プレーヤーを輩出した。1989年には、ユベントスから移った監督ジョバンニ・トラパットーニGiovanni Trapattoni(1939― )の下、ローター・マテウスLothar Matthäus(1961― 、ドイツ)、アンドレアス・ブレーメAndreas Brehme(1960―2024、ドイツ)、ラモン・ディアスRamon Diaz(1959― 、アルゼンチン)らの活躍でリーグ優勝した。その後も、ロナウドRonaldo Luiz Nazário de Lima(1976― 、ブラジル)をはじめとするスタープレーヤーの獲得を積極的に行っている。

[西部謙司]

その後の動き

2005~2006シーズン、「カルチョスキャンダル」による八百長問題の処分により、1位ユベントスが優勝を剥奪(はくだつ)され、2位ACミランも30ポイントの減点となり、17季ぶり14度目のセリエA優勝を果たした。以降2009~2010年シーズンまでセリエAを五連覇、2009~2010年シーズンにはUEFAチャンピオンズ・リーグでも優勝した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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