交流サイト(SNS)で大きな影響力を持つ人。タレントやモデル、スポーツ選手に限らず、多くのフォロワー(読者)を持つ一般人も含む。若い世代を中心とした消費者に対する発信力を期待し、企業が商品やサービスの広告宣伝活動を有償で依頼することが増えている。
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人々に広く影響を及ぼす人物。芸能人、スポーツ選手、識者などの著名人だけでなく、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで多くのフォロワー(定期閲覧者)をもつ人物をさす。もともと政策や経営に影響を及ぼす政治家のブレーンや経営コンサルタントらのことを意味していたが、インターネットやSNSの普及に伴い、2006年(平成18)ころから、SNSやブログで情報発信する人をさすようになった。このため「ブロガー」や、SNSの企業名にちなんで「ユーチューバーYouTuber」「インスタグラマーInstagramer」とよばれることもある。不特定多数に瞬時に情報発信できるインターネットの特性を生かし、情報の起点となったり、情報を増幅させたりする役割を果たしており、消費・流行、世論形成、政策決定などに影響を及ぼす存在となっている。100万人以上のフォロワーをもつ人をメガインフルエンサーとよび、カリスマ的な人気を博す人もいる。
インフルエンサーを使った広告・宣伝手法をインフルエンサー・マーケティングという。衣料・化粧品・小売業などで積極的に取り入れられており、インフルエンサーの採用や社内育成に取り組む企業も増えている。ネット上ではインフルエンサーの影響力や販促効果を測定・数値化できるソーシャルスコアリングが可能で、インフルエンサーを検索・紹介する代理店やサイトも多い。インフルエンサー・マーケティングは、利害関係のない第三者による評価のほうが信頼性を獲得しやすいとするウィンザー効果や、多くの支持が集まるものにはさらなる支持が集まりやすいというバンドワゴン効果を活用した手法とみることができる。民間調査(サイバー・バズ社とデジタルインファクト社)によると、インフルエンサーを使った広告市場(2023年は推定741億円)は毎年10%以上成長し、数年内に雑誌の広告市場(電通調べで2023年に1163億円)を追い抜くとみられている。一方でインフルエンサー・マーケティングは、広告であることを隠して宣伝するステルスマーケティング(ステマ)の温床になっているとの懸念がある。消費者庁による実態調査(2022)では、インフルエンサー(調査対象300人)の約4割がステマ依頼を受けていた。消費者庁は2023年(令和5)、ステマを景品表示法が禁じる不当表示に追加指定し、悪質な広告主には罰則を科すように改めたが、広告・宣伝の制作に関与しただけのインフルエンサーは規制対象外である。
[矢野 武 2024年6月18日]
(2017-3-23)
出典 (株)トライベック・ブランド戦略研究所ブランド用語集について 情報
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