インプラントと歯周病

六訂版 家庭医学大全科 「インプラントと歯周病」の解説

インプラントと歯周病
(歯と歯肉の病気)

 歯は、歯槽骨(しそうこつ)との間に歯根膜(しこんまく)という組織を介して植立しています。また、歯と歯ぐき(歯肉)は付着上皮という組織で付いていて、体のなかと外を封鎖しています。

 歯周病とは、歯周病原因菌による感染症で、歯を支えている歯周組織の病気です。炎症が歯ぐきだけにある時は歯肉炎(しにくえん)と、歯根膜に炎症が及び歯槽骨が溶けてなくなると歯周炎と呼ばれています。

 一方、インプラントは、周囲の歯槽骨とインプラント表面が接合した状態で支えられていて、歯根膜はありません。歯ぐきとの境目には付着上皮はなく、ただ単に粘膜と付いている状態です。そのため、インプラント周囲には歯周組織はないので、歯周病という名の病気は存在しません。

 しかし、インプラントにも周囲組織はあるので、インプラント周囲炎はあります。歯周病と同じように、インプラント周囲組織の炎症が起きたり、歯槽骨が溶けてなくなることがあります。しかもこれらの症状は歯周病よりも早く重度に現れます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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