アメリカ合衆国南西部、カリフォルニア州南端部の谷。同州南部からメキシコのカリフォルニア湾にかけて、320キロメートルにわたり、細長い低地が横たわる。この低地は、北東側をチョコレート山脈により、南西側をペニンシュラ山脈によって限られる地溝帯で、低地の北部には湖面標高がマイナス約70メートルのソルトン湖がある。インペリアル谷は、低地の合衆国側、ソルトン湖の南方に広がる長さ140キロメートル、幅40キロメートルにわたる海面下の地域をさす。この地域は、コロラド川が三角州を形成しながらカリフォルニア湾を埋め立てていく過程で、沈降しつつ取り残されてできた低地であると考えられている。コロラド川から引かれる灌漑(かんがい)用水により、穀物やワタ、果樹、野菜などの農業が大規模に営まれていることで知られる。
[鶴見英策]
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