イーラジ・ミールザー(英語表記)Īraj Mīrzā

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イーラジ・ミールザー」の意味・わかりやすい解説

イーラジ・ミールザー
Īraj Mīrzā

[生]1874
[没]1926. テヘラン
イラン詩人名門に生れ,19歳でカージャール朝宮廷詩人になったが,のちに官吏として各地を転任し作詩に努めた。古典詩人と現代詩人の中間に位すると評され,晩年には独自のスタイルを生み出した。女性問題,社会問題について多く作詩し,女性解放を唱えた『ベールの書』 Ḥijāb-nāme,母性愛をたたえた『母の書』 Mādar-nāme,社会・政治問題を詠んだ『アーレフの書』`Āref-nāmeは広く愛唱された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イーラジ・ミールザー」の意味・わかりやすい解説

イーラジ・ミールザー
いーらじみーるざー
Īraj Mīrzā
(1874―1926)

イランの詩人。カジャール朝の名門に生まれる。若いとき詩人として宮廷に仕えたが、のちに官吏として各地を転任し、晩年は失意のうちに過ごした。平易で流麗な作詩をしたことで知られ、代表作には社会・政治問題を詠んだ叙事詩『アーレフの書』、文学改革を説いた叙事詩『文学の革命』のほかに、女性解放、母性愛をテーマにした詩が多く、『母の書』は名高い。

[黒柳恒男]

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百科事典マイペディア 「イーラジ・ミールザー」の意味・わかりやすい解説

イーラジ・ミールザー

近代イランの詩人。宮廷詩人をつとめたこともあったが西洋文学にも触れ,古典派と近代派の過渡期に位置付けられる。政治やイスラムの偽善的側面を風刺した詩を残す。

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