ウィーラント(Heinrich Otto Wieland)(読み)うぃーらんと(英語表記)Heinrich Otto Wieland

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウィーラント(Heinrich Otto Wieland)
うぃーらんと
Heinrich Otto Wieland
(1877―1957)

ドイツの有機化学者、生化学者。6月4日プフォルツハイムに生まれる。ミュンヘンその他の大学に学び、化学のほか工学と医学の学位をもつ。ミュンヘン工科大学、フライブルク大学教授などを経て、1925年から1952年までミュンヘン大学教授ならびに同大学化学研究所所長。胆汁酸類とその類縁物質の構造を研究し、この業績に対して1927年にノーベル化学賞が授与された。彼の提出した化学式はその後1932年に修正された。胆汁酸のほか、アルカロイド麻酔剤などについても研究し、さらに生物体内酸化作用に関する研究を行い、細胞呼吸メカニズムにおける水素活性化説を提唱し、酸素活性化説を主張するO・H・ワールブルクと対立し、激しい論争を展開した。1957年8月5日ミュンヘンで死去した。主著は『酸化過程について』Über den Verlauf der Oxydationsvorgänge(1933)。

[宇佐美正一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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