ウェサン島(英語表記)Ouessant

改訂新版 世界大百科事典 「ウェサン島」の意味・わかりやすい解説

ウェサン[島]
Ouessant

フランス西部,ブルターニュ半島の先端沖合20kmにある小島。面積15km2。人口1450(1975)。ウェサン(古語で〈もっとも高い土地〉の意)の名のとおり,65mの絶壁に囲まれ,北大西洋海流荒波に洗われる。周囲に暗礁が多く,しばしば深い霧につつまれ,海難の名所として知られている。島では共有の耕地で女や老人がジャガイモなどを作り,食用の羊を放牧しているが,男は船員が多い。近年,沿岸の奇岩や荒波の光景と離島の伝統的風習にひかれて,観光客がわずかながら訪れるようになり,794棟の建物のうち250棟(1975)が別荘である。光度約1600万cd,光達距離約60kmのクレアック灯台は島の名所のひとつだが,海に消えた死者帰還を象徴するポエラ(蠟で作った十字架)を墓地に祀ることも有名な習慣である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android