ウェヌスの宵宮(読み)うぇぬすのよいみや(英語表記)Pervigilium Veneris

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウェヌスの宵宮」の意味・わかりやすい解説

ウェヌスの宵宮
うぇぬすのよいみや
Pervigilium Veneris

ラテン語で書かれた作者不詳の詩。93行よりなり、3、4世紀の作品と推定される。シチリア島で行われた愛の女神(ウェヌス)の誕生祭の前夜に歌われたらしい。春の到来とウェヌスの力を褒めたたえたのち、突然作者の憂いに満ちた告白で終わる。随所に挿入された「明日は恋せよ、恋をまだ知らぬ者よ。恋をもう知る者も、明日は恋せよ」というリフレインが有名。

[土岐正策]

『国原吉之助訳『愛の女神宵宮の歌』(『世界名詩集大成1 古代・中世篇』所収・1966・平凡社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android