ウェード式表記法(読み)ウェードしきひょうきほう(英語表記)Wade system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェード式表記法」の意味・わかりやすい解説

ウェード式表記法
ウェードしきひょうきほう
Wade system

中国語のローマ字表記法の一つ。英語圏で一般に用いられている。イギリスの外交官で,中国学者の T.F.ウェード考案によるのでこの名がある。現在中国で行われている「漢語ほう音字母」を ( ) に入れて両者のおもな相違点をあげると,(1) 無気音はp,t,k,有気音はp`,t`,k` (それぞれb,d,g; p,t,k) ,(2) 舌端破擦音 ts,ts` (z,c),(3) 舌面またはそり舌破擦音 ch,ch` (jまたは zh,qまたは ch) ,(4) そり舌音j(r),(5) 舌面摩擦音 hs(x),(6) -ê,-ên,êng,-êrh(-e,-en,-eng,-er),などである。この方式はケンブリッジ大学におけるウェードの後継者 H.A.ジャイルズの『漢英辞典』に用いられて英語圏に広まったため,一名ウェード=ジャイルズ式 Wade-Giles systemともいわれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android