日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウォルフ(Casper Friedrich Wolff)
うぉるふ
Casper Friedrich Wolff
(1733―1794)
ドイツ、のちにロシアの解剖学者、発生学者。ベルリンで医学を修め、1767年以来サンクト・ペテルブルグ学士院会員となった。発生学では、いくつかの器官発生の顕微鏡観察から、後成説(発生の際、単純な状態から複雑な状態に発展し、構造が新たに生じるとする説)を主張し、またニワトリ胚(はい)の腸が平らなものからくびれて生じることを発見した。さらに、植物の諸器官が葉の変形したものであり、動物でも諸器官は葉状のものから生じると考えて、胚葉説の先駆をなした。主著『発生の理論』Theoria generationis(1759)。
[八杉貞雄]
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