日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウォルムス(ドイツ)」の意味・わかりやすい解説
ウォルムス(ドイツ)
うぉるむす
Worms
ドイツ西部、ラインラント・プファルツ州の都市。ボルムスともいう。人口8万0400(2000)。ライン川がライン地溝帯の幅広い平野を蛇行する左岸にあり、西側にはブドウ栽培の盛んな丘陵地帯が接している。ローマ時代に起源をもつドイツの古都の一つ。346年に大司教座が置かれ、フランク王朝時代にその帝国直轄都市となり、政治的にも重要な地位を占めた。ここでの帝国議会開催は8~16世紀間に100回以上に及び、神聖ローマ皇帝とローマ教皇との「ウォルムス協約」(1122)や新教のルターを喚問した「ウォルムス国会」(1521)の場となった。中世の叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の舞台としても知られる。地域中心都市として官公庁や文化・教育施設が集中するほか、市域の北部やライン川の河港付近には、機械、家具、麦芽製造、ワイン醸造、製粉、鉄鋼、アルミニウムなど各種の工業が立地する。
[朝野洋一]
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