ウラカワ(読み)うらかわ

日本歴史地名大系 「ウラカワ」の解説

ウラカワ
うらかわ

漢字表記地名浦河」のもとになったアイヌ語に由来する地名。本来は現在の元浦もとうら川およびその流域一帯をさす地名であったが、場所名として用いられ、ウラカワ場所の運上屋(会所)が一八世紀末頃ムクチに移設されたことから、その所在地をさす地名として、またムクチに替わる地名としても使用された。そのためかつてのウラカワは「モトウラカワ」とよばれるようになった(「蝦夷日誌」一編など)。天保郷帳には「ウラカワ持場」のうちとして「モトウラカワ」と「ウラカワ」がみえるが、この「ウラカワ」はムクチのことである。近代に入りウラカワ(ムクチ)は浦河村に、モトウラカワは荻伏おぎふし村に包含された。

表記は古くから漢字で「浦川(「津軽一統志」「蝦夷蜂起」・元禄郷帳・享保十二年所附、木村「蝦夷日記」、谷「蝦夷紀行」、「東蝦夷地場所大概書」)と書かれることが多く、「浦賀和」(東行漫筆)もみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android