日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
エクマン(Gustav Ekman)
えくまん
Gustav Ekman
(1852―1930)
スウェーデンの海洋学者。1876年バルト海で海洋観測を行ったとき、滴定法で海水の塩分を測るなど海洋観測に新生面を開いた。北海の詳しい海洋調査によって、スカゲラク海峡域の海況と冬ニシン漁との関係を突き止め、ニシンの回遊が海況の変化によることも発見した。ペテルソンとともに、水温、塩分、プランクトンの変化とニシン大漁年とは関係があることもみいだしている。エクマンの功績の一つは、ペテルソンらとともにスウェーデン国王オスカー2世Oscar Ⅱ(1829―1907)に国際海洋研究会議の設立を進言したことで、1899年ストックホルムでの準備会、1901年クリスティアニア(現、オスロ)での第1回会議を経て、1902年コペンハーゲンの会議で正式に発足、海洋学における国際協力、国際協同観測の基礎を確立した。この組織は現在、国際海洋探査協議会(ICES:International Council for the Exploration of the Sea)となり、活発な活動を続けている。
[半澤正男]
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