エチレン・酢酸ビニル樹脂(読み)えちれんさくさんびにるじゅし(英語表記)ethylene-vinylacetate copolymer

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

エチレン・酢酸ビニル樹脂
えちれんさくさんびにるじゅし
ethylene-vinylacetate copolymer

プラスチックの一つでEVA樹脂ともいう。エチレン酢酸ビニル共重合体である。ポリエチレンは代表的なプラスチックであるが、無極性であるためこの欠点を改良するために極性(分子中で正負の極が偏る度合い)をもった酢酸ビニルを共重合させてつくられた。これによりポリエチレンの結晶化を妨げ、軟らかな感じのポリマーを与える。また耐衝撃性にも優れている。ポリエチレンと同じく加工でき、ガスケットチューブスポンジなどに用いられる。また安定性と耐候性の優れた接着剤でもある。固体の形で加熱溶融して接着させるホットメルト接着剤として重要である。

垣内 弘]

『高分子学会編『共重合3 工学解析』(1987・培風館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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