化学辞典 第2版 「エピマー化」の解説
エピマー化
エピマーカ
epimerization
エピ化ともいう.一般に,分子中に複数個の不斉炭素原子がある場合,そのうちの一つだけの立体配置が反転し,ほかのジアステレオマーになる反応をいう.とくにアルドース誘導体の2位の炭素原子に関する反転をさすことが多い.たとえば,D-グルコン酸をピリジン中で加熱すると一部がD-マンノン酸に変化し,両者の間に平衡が成立する.この可逆反応はカルボキシル基がエノール化することによる.遊離のアルドースを薄いアルカリ水溶液で処理すると,ある程度エピマー化されるが,副反応も起こり,多様な副生成物が生じる.生体内でエピマー化を触媒する酵素をエピメラーゼという.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報